SONY製の音楽再生専用機器であるウォークマンの中でも、フラッグシップモデル(複数あるモデルのうち、最も上位のもの)に位置付けられている『NW-WM1シリーズ』。
本記事では、この『WM1』シリーズが何をもってウォークマンのフラッグシップモデルと呼ばれているのか、また他のモデルと何が違うのかを分かりやすく説明していきます。

性能と特徴

本記事で紹介する『WM1シリーズ』は、SONYが持つ音楽再生機器技術の集大成と言っても過言ではない性能・機能となっています。
使われている部品は『WM1シリーズ』専用に設計し直されたものやアップグレードされたものばかりで、それらを内包し支える本体シャーシも専用設計されたものになっているなど、細部にもこだわりが見られます。
その中でも、特筆すべき点がいくつかあるのでまとめて紹介していきたいと思います。
- 大幅に進化したデジタルアンプ
- 曲に合わせて5つのモードが選べるようになったアップスケーリング機能
- アナログ再生とデジタル再生、二つの良いとこ取りをした「バイナルプロセッサー」搭載
実は上記の3つ、どれを取っても革新的な進化なんです。
どれくらい凄いのかというと…慌てずにひとつひとつ説明していきますね!
進化したデジタルアンプ「S-Master HX」
「NW-Aシリーズ」から搭載されている、フルデジタルアンプ「S-Master HX」ですが、本シリーズにももちろん搭載されています。しかも本シリーズのそれは、他シリーズのものと比べると大幅に性能が強化された『WM1シリーズ』専用仕様になっています。

公式サイトの情報をもとにまとめた、各シリーズのデジタルアンプの最大出力性能はこんな感じに。やはり『MW1シリーズ』に搭載されているものが一番性能が高いです。
曲に合わせて5つのタイプが選択できるようになった「DSEE HX」
MP3形式の音楽ファイルでもハイレゾ相当の音質にアップスケーリングして再生してくれる機能である「DSEE HX」ですが、従来のものにはなかった新機能が追加され、「5つのモード」から曲に合わせたモードを選択することでより最適な音質に補正することが出来るようになりました。
- 女性ボーカル
- 男性ボーカル
- スタンダード
- パーカッション
- ストリングス
このように5つのモードを自由に選択することが出来るようになったので、適したモードで曲を再生することでさらに高音質に補正された曲を聞くことが出来るんですね。
アナログとデジタルの良いとこ取りをした「バイナルプロセッサー」
『WM1シリーズ』に搭載されている機能で、「バイナルプロセッサー」というものがあります。
◇バイナルプロセッサーとは…
アナログレコード特有の音響現象を、あえてデジタル再生時にも再現したもの。
本来デジタル再生で聞く音楽は、アナログ再生特有の機械的なノイズや音響機器の微細な振動などが限りなく低減されていてクリアな音質で聞くことが出来るもので、「音質」に関して言えばデジタル再生の方が高音質で聞けるというのが当たり前になっている。しかし近年デジタル再生に慣れたはずの人達から「アナログ再生の方が音が良く聞こえる」という声があり、この技術の開発者はその原因を研究したという。その結果、アナログ再生時のちょっとしたノイズ(人間の耳では聞こえないレベルの周波数の音)や、スピーカーなどの細かな振動など(他にも多数理由はある)に、アナログ再生特有の「心地よさ」があるのではないかと考え、それを再現しようと生み出した技術が「バイナルプロセッサー」である。
上記がSONY公式ページの、「バイナルプロセッサー」を生み出した技術者様のインタビューを、超簡易的にまとめたものになります。全文はこちらから。
デジタルの方が音質が良くて当たり前の時代に、あえてアナログの良さも取り入れる…ここにもSONYの音楽へのこだわりが強く出ていると思います。デジタルが主流の今でも、アナログレコードで聞く音楽が好きで、あえてアナログ再生を選んでいる人たちもいますよね。
好きな人にしかわからない「心地よさ」にも突き詰めれば理由があり、それを研究して体現させる。並外れた情熱がないと成しえない技術であり、人生で一度は聞いてみたいレベルの音質だと思います。
※この機能は他のモデルにもアップデートで追加されているものがあるので、『WM1シリーズ』専用のものではありませんが、ここで紹介させてもらっています。
グレードラインナップ

『WM1シリーズ』のラインナップは2つのみ。
- 『NW-WM1A』
アルミ切削筐体がベースで、WM1専用設計の部品、機能を多数備えたグレード。 - 『NW-WM1Z』
無酸素銅切削筐体に金メッキを施すなど、さらにこだわりを深めたグレード。NW-WM1Aと比べると、機能的なものは変わらないが部品や内部のケーブルなどが特別仕様になっている。
この二つから選ぶことになります。本記事で紹介した3つの機能に関しては双方ともばっちり搭載されていますが、『NW-WM1Z』に関しては製品本体や内部に使用しているケーブルが異なるなど表には出ない部分で変更点があり、値段的にかなりの差が出てきます。
『NW-WM1A』でも、充分に最高峰の音楽を楽しめると思うので、よほどのこだわりがない限りはこちらのグレードをお勧めします。
[amazon asin=” B01LRQZQHW ” kw=”キーワード”]
あとがき
今回紹介した製品が、現行ウォークマンの最高峰のものになります。このレベルの音質を味わえる音楽再生機器は中々ありません。
値段的には決して安い買い物ではないので、他のグレードと見比べて自分に合った製品を探してみてください。
コメント